人として素晴らしいバーテンダーの話

人として素晴らしいバーテンダーの話

 私も何度かお邪魔してお世話になったバーのバーテンさんのお話です。
 私の知人は昔からそのお店のいわゆる「常連客」であって、その知人はそのバーで飲むお酒をこよなく愛し、そのお店をこよなく愛していました。私も彼の紹介でそのお店を知ることになったわけですかが、私以外にも、彼は友人の何人かにそのお店を紹介してきました。

 

 

 

 もちろん、そのお店にとってはそうした口コミによってお客さんが増えていくということが一番望ましいことなのだとは思いますが、もちろんそれは一般論にすぎず、中には「例外」もあるのです。
 というのも、その知人と最も仲がよかった友だちの存在が、私の知人の周囲から消えてしまったのです。何かあったのかと私は私の知人に訊いてみたところ、なんと、そのお店のことでケンカになってしまい、絶縁状態になっているというのです。どういうことかというと、私の知人の友人が、彼がこよなく愛するお店に対し「雰囲気が良くない」と発言したことが発端になって、言いあいになってしまったと言います。

 

 

 

 私がそのお店にひとりで行ったときに、その知人の話になった流れで、知人のケンカの話をバーテンさんとしながら、いかに彼がこのお店を愛しているのかという話をしました。するとそのバーテンさんは、少し悲しい表情で、こう言いました。

 

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「雰囲気が良くないと感じるのは、お客さんの誰の責任でもないですよ。それはすべて私の責任なのです」
 私はこのとき、なぜこのお店が多くのリピーターに支持されるに至ったのか、その理由を理解した気がしました。

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